いつものようにテレビを見ている僕。
ここのところ特番続きで、いい加減飽き飽きしていた。
-ピンポーン-
不意に玄関のチャイムが鳴る。
こんな時間に誰だろう?と重い腰をあげる。
「はーい。」ガチャ。
開いたドアの先、
そこに立っていたのはタケシの彼女だった。
どうしたの?
そう言い出すより先に、彼女の口が開く。
「ごめん急に…さっきたけしにふられたんだ…」
「ちょっとだけビール付き合って!」
マスカラの滲んだ顔で、明るくコンビニ袋を差し出す彼女に
惚れてしまういそうになった。
いかんいかん。
ついさっきふられたとはいえ、あいつの彼女だ。
いくらこのシチュエーションが雑誌に載ってた
彼女ができやすいパターンだとしても、
傷ついている彼女の心につけこむなんて最低だ。
第一、あいつに申し訳がたたない。
なんてことを考えながらも、
どうぞ!
と快く彼女を迎えてしまった。
罪悪感が僕を苛む。
そんな僕の気持ちを知ってか、
「ありがとう!さっそく飲もっか!」
と言った彼女の笑顔はとてもまぶしかった。
しかし、よくよく考えると僕はビールが飲めない。
「あーごめん…僕ビール飲めへ…」
そう言いかけた僕の目の前で、
彼女はカクテルの缶を掲げている。
「買っといたよ!カシスソーダ!」
「なんで知ってるの?」
「この間一緒に飲んだじゃん!覚えてるよ!」
だめだ。
「ちょっとトイレ。」
そそくさとトイレに駆け込み、
にやける顔を必死で戻す。
僕を酔わせてどうする気だ?
さっきまでの罪悪感はどこへやら、
僕はこの先の展開を期待せずにはいられなかった。
「ごめんね!」
急いでトイレから出た僕に、
「乾杯しよ!」とお酒が手渡される。
「うん!」
しかし、おもむろに缶のタブをあけた瞬間、
中身が噴き出した。
「うわーっ!何これー!」
一瞬何が起こったのかわからなかったが、
ずぶ濡れになった僕を横目に、
隣でおなかを抱えて大声で笑う彼女。
「アハハ!ひっかかったー!」
その言葉にすべてを悟った僕は、
そばにあったタオルでお酒を拭くフリをしながら、
にやけ顔を隠していた。
幸せだ。素直にそう思えた。
「ちょっとビショビショやんか!もー!」
そう言って彼女を見ると、
いつの間にやら携帯で誰かと話している。
「いい加減にしてよ!何よ今さら!」
どうやら相手はタケシのようだ。
今、彼女が僕と一緒にいることを知ったら、
あいつは何て言うだろう。
恋愛と友情。
計り知れないその2つの感情を、
僕は天秤にかけてみた。
と、言うのは建前だ。
彼女は完全に僕に好意を持っている。
自業自得。
そんな言葉があいつにはお似合いだ。
僕があいつに言う台詞は決まっている。
「彼女を泣かせたお前が悪い。」
「えぇ…わかった…すぐ行く。」
ん?
「ごめんね!タケシが謝りたいって。あたし、行ってくるね。」
「割り勘分今度でいいから。」
んー?
そう言うと、彼女は出て行った。
部屋にはカシスソーダ臭い僕が一人。
っていうような、Wエンジンさんのコントを
今度余興でやります。
ここのところ特番続きで、いい加減飽き飽きしていた。
-ピンポーン-
不意に玄関のチャイムが鳴る。
こんな時間に誰だろう?と重い腰をあげる。
「はーい。」ガチャ。
開いたドアの先、
そこに立っていたのはタケシの彼女だった。
どうしたの?
そう言い出すより先に、彼女の口が開く。
「ごめん急に…さっきたけしにふられたんだ…」
「ちょっとだけビール付き合って!」
マスカラの滲んだ顔で、明るくコンビニ袋を差し出す彼女に
惚れてしまういそうになった。
いかんいかん。
ついさっきふられたとはいえ、あいつの彼女だ。
いくらこのシチュエーションが雑誌に載ってた
彼女ができやすいパターンだとしても、
傷ついている彼女の心につけこむなんて最低だ。
第一、あいつに申し訳がたたない。
なんてことを考えながらも、
どうぞ!
と快く彼女を迎えてしまった。
罪悪感が僕を苛む。
そんな僕の気持ちを知ってか、
「ありがとう!さっそく飲もっか!」
と言った彼女の笑顔はとてもまぶしかった。
しかし、よくよく考えると僕はビールが飲めない。
「あーごめん…僕ビール飲めへ…」
そう言いかけた僕の目の前で、
彼女はカクテルの缶を掲げている。
「買っといたよ!カシスソーダ!」
「なんで知ってるの?」
「この間一緒に飲んだじゃん!覚えてるよ!」
だめだ。
「ちょっとトイレ。」
そそくさとトイレに駆け込み、
にやける顔を必死で戻す。
僕を酔わせてどうする気だ?
さっきまでの罪悪感はどこへやら、
僕はこの先の展開を期待せずにはいられなかった。
「ごめんね!」
急いでトイレから出た僕に、
「乾杯しよ!」とお酒が手渡される。
「うん!」
しかし、おもむろに缶のタブをあけた瞬間、
中身が噴き出した。
「うわーっ!何これー!」
一瞬何が起こったのかわからなかったが、
ずぶ濡れになった僕を横目に、
隣でおなかを抱えて大声で笑う彼女。
「アハハ!ひっかかったー!」
その言葉にすべてを悟った僕は、
そばにあったタオルでお酒を拭くフリをしながら、
にやけ顔を隠していた。
幸せだ。素直にそう思えた。
「ちょっとビショビショやんか!もー!」
そう言って彼女を見ると、
いつの間にやら携帯で誰かと話している。
「いい加減にしてよ!何よ今さら!」
どうやら相手はタケシのようだ。
今、彼女が僕と一緒にいることを知ったら、
あいつは何て言うだろう。
恋愛と友情。
計り知れないその2つの感情を、
僕は天秤にかけてみた。
と、言うのは建前だ。
彼女は完全に僕に好意を持っている。
自業自得。
そんな言葉があいつにはお似合いだ。
僕があいつに言う台詞は決まっている。
「彼女を泣かせたお前が悪い。」
「えぇ…わかった…すぐ行く。」
ん?
「ごめんね!タケシが謝りたいって。あたし、行ってくるね。」
「割り勘分今度でいいから。」
んー?
そう言うと、彼女は出て行った。
部屋にはカシスソーダ臭い僕が一人。
っていうような、Wエンジンさんのコントを
今度余興でやります。