子ども手当の反故が濃厚になってきたね。2万6000円全額支給は現金・現物問わずにどうやら困難のようです。僕はまだ子どもはいませんけど、お子さんのおられる家庭では全額支給を前提に生活設計をしていた人もおられるでしょうに、今更無理っていやいやいやいや。
そんな民主党への批判は他の人にまかせるとして、そうは言っても今月から半額の1万3000円の支給が始まってるのは事実。もらえるものはありがたくもらっておきましょう。そんな子ども手当ての使い道は?現在各社がその利用を期待して、いろんなサービスを打ち出してます。「子ども手当て支給額と同額の1.3万円でハワイ、グアム、バリ島など、ご家族3人(大人2名様+お子様1名様)お楽しみいただけるオプショナルツアー」なーんてのも売られてる始末。僕からしてみると、Willが1万3000円になったら任天堂神やのにと思う今日この頃。絶対爆発的に売れると思う。でもね、内閣府が昨年11月に行った子ども手当支給対象の家族に対して行った調査では「貯蓄」と答えた親が48.2%もいたそうです。
実際に地方銀行や信用金庫なんかでども手当に合わせたキャンペーンを実施していたりするし、当社しかり生損保各社でも1万3000円にあわせた学資保険等の商品が新販売されてたりします。そんな子どもの教育資金の準備の方法の一つとして知られる学資保険ですが、加入に際してはちょっと注意が必要なんです。
そもそも学資保険とはなんぞや?ってとこからなんだけど、一般的には、子どもの教育費なんかを貯めるのに、保険会社に保険料を支払って、加入時に決めた年齢に子どもが達したら給付金としてまとまった額を受け取れるってな仕組み。万が一、契約者が途中でなくなったりすると以後の保険料が免除になったり、育英年金として被保険者(こども)に保険期間満了まで給付金が支払われるってタイプのものもあります。
また、一般の生命保険と同じように、けがや病気で入院したら給付金がもらえたり、万が一の保障がついていたりするものもあります。こうやって聞くとなんていい商品なんだと感じるかもしれないけど、世の中そんなに甘いものではない。学資保険の最大のデメリットは「元本割れ」する可能性があるということ。払い込んだ保険料より受け取る額の方が少なくなることも多いんです。
つまり、さきほど書いたような育英年金だとか、入院給付金だとかいう特約がついている保険の場合、この部分に関しては完全に「掛け捨て」なんです。たとえば、入院特約のついた学資保険に月1万円で加入したとすると、この場合、毎月支払う1万円のうち、貯蓄に8000円、入院特約に2000円といったように、積み立ててる(つもりの)保険料から特約部分の保険料が差し引かれるのです。毎月1万円と思って貯めていても、実は8千円しか積み立てていないので、仮に10年間で考えると、1万×12ヶ月×10年で120万円の保険料を支払ったのに、8千×12ヶ月×10年の96万円(に利息がちょっとついた額)しか返ってこない。なんか損した気分だ。
もちろんその10年間でお子さまに怪我や病気など、もしものことがあった場合は入院給付金が支払われますので全くの損というわけではないにしても、子どもの不幸を願って保険に入る親はいないでしょう。ということで、曲がりなりにもファイナンシャルプランナーとしての立場から言わせてもらうと、「保険と貯蓄は分けて考えるべき」だと思う。
そういった点を踏まえた上で、やっぱり子どもは怪我もしやすいし、自分にもしものことがあった時は…なんて考えるなら、逆に言えば「保険と貯蓄をひとつでできる商品」と割り切ってしまうのも手かも知れません。いずれにしても、子ども手当を狙って生損保各社ともこういった商品にも力を入れてるので、加入にして際はご注意ください。
そういえば、最近ニュースで子ども手当の全額支給が反故になった場合、現在の税制と比べると負担が増える家庭も出てくるとかなんとか言うとりますね。結局どうなの長妻さん?次回はそのあたりも整理してみようかと思う今日この頃である。